SIMフリーのMNP入門|メリット・デメリットと乗り換え手順

スマホ料金を見直したいけれど、「SIMフリー」「MNP」って結局どう違うのか、どこから手をつければいいのか分かりにくい…と感じていませんか?
なんとなくお得そうなのは分かるものの、「自分のケースで本当に節約になるのか」「失敗したら面倒そう」と不安になりやすいテーマです。
そこで今回は、SIMフリー端末を使ってMNPする場合の選び方と進め方を、はじめての方でも追いやすいように整理しました。
- SIM・SIMフリー・MNPの基礎と関係性
- SIMフリーでMNPするメリット・デメリット
- SIMフリー端末を用意する2つの方法と選び方
- 格安SIMへMNPする具体的なステップ
- キャリアMNP(端末セット)との違いと選び分けのポイント
読み終わるころには、「自分はSIMフリーでMNPすべきか、それともキャリアMNPのほうが合っているのか」をイメージできる状態を目指します。
SIMフリーでMNPするとどうなる?先にざっくり結論
SIMフリー端末でMNP(乗り換え)すると、「今のスマホはそのまま」「回線と料金だけ自由に選べる」ようになります。
大まかには、次の3つがポイントです。
- 端末は買い替えずに、好きなキャリアや格安SIMへMNPできる
- 自分に合った料金プランを選びやすく、通信コストを抑えやすい
- そのぶん、端末の対応状況や手続きは自分でチェックする必要がある
「SIMフリーのMNP」はうまく使えば料金を下げられますが、動作確認やプラン選びをサポートなしで進める場面も増えます。
次のH3で、「どんな人に向いているか/向いていないか」を整理していきます。
SIMフリー×MNPのざっくり結論
SIMフリー端末でMNPすると、回線だけを乗り換えるイメージになります。
- 端末はそのまま:今のスマホを継続利用しつつ、回線だけ他社へMNP
- 選べる会社が増える:大手キャリアだけでなく、格安SIMも候補にできる
- 料金をコントロールしやすい:データ容量や通話量に合ったプランを選びやすい
一方で、すべてのSIMフリー端末が、すべての回線で完璧に動くわけではありません。
「動作確認済み端末」や「対応バンド」を自分でチェックするひと手間は発生します。
SIMフリー+格安SIMが向いている人
「SIMフリーのMNP」の王道パターンが、SIMフリー端末+格安SIMです。
次のような人には、特に相性が良い選択肢です。
- 月々のスマホ料金をできるだけ下げたい人
- 通話は少なめで、LINE通話やチャットがメインの人
- 昼休みなどの混雑時間に多少速度が落ちても許容できる人
- オンラインでの申し込みや初期設定に抵抗がない人
- 「端末は気に入っているので、しばらく買い替える予定がない」人
ざっくり言うと、「データ通信中心で、ショップにあまり頼らず自分で触れる人」にはSIMフリー+格安SIMのMNPがおすすめです。
キャリアMNP(端末セット)のほうが向いている人
一方で、次のような人は、SIMフリーにこだわらずキャリアでのMNP(端末セット)も検討したほうが安心です。
- 通話時間が長い・仕事で音声通話をよく使う人
- 店舗でスタッフに相談しながら決めたい人
- スマホのトラブル対応や設定を自分だけで完結させたくない人
- 最新機種への買い替えも同時に検討している人
- 家族割やセット割など、キャリア独自の割引を重視したい人
こうしたケースでは、「端末も回線もまとめて面倒を見てほしい」ニーズが強いことが多く、SIMフリーよりもキャリアMNPのほうが結果的に安心です。
このあと、SIMフリーの基礎や具体的な手順を見ながら、自分に合うパターンを整理していきましょう。
SIM/SIMフリー/MNPの基礎知識
「SIMフリーのMNP」を理解するには、まず言葉の整理から始めるのが近道です。
ここでは、よく出てくる3つのキーワードをサクッと押さえておきましょう。
- SIM:スマホに入っている、回線契約の情報が入った小さなICカード
- SIMフリー:特定のキャリアに縛られず、複数の回線で使える端末の状態
- MNP:今の電話番号をそのまま他社へ移す「番号そのまま乗り換え」制度
この3つがつながると、「今の端末を活かしながら、電話番号そのままで他社へMNPする」という選択肢が見えてきます。
SIMとは?スマホに入っている小さなICカード
SIM(シム)は、スマホやケータイの中に入っている小さなICカードです。
契約者情報や電話番号、どの回線を使うかといった情報がここに記録されています。
SIMカードが入っていないと、基本的には通話もモバイルデータ通信もできません。
Wi-Fiだけで使っている端末でも、もともとはこのSIMカードが挿さっていたはずです。
ポイントをまとめると、SIMは次のような役割を持っています。
- 契約しているキャリア(ドコモ/au/ソフトバンクなど)を識別する
- 自分の電話番号や契約プランと紐づいている
- このカードを差し替えることで、回線を切り替えられる
つまり、「どの回線を、どんな条件で使うか」を決めているのがSIMカードだとイメージしておけばOKです。
SIMフリーとは?SIMロックとの違い
次に、SIMフリーとSIMロックの違いです。
もともと多くの端末は、購入したキャリアでしか使えないように「SIMロック」がかかっていました。
ドコモで買った端末ならドコモのSIMだけ、というイメージです。
一方、SIMフリー端末とは、特定のキャリアのSIMに縛られていない状態の端末を指します。
- SIMロック端末:原則として、購入元キャリアのSIMのみ利用可能
- SIMフリー端末:対応バンド内であれば、複数キャリアや格安SIMのSIMを利用可能
SIMフリー端末を手に入れる方法は大きく2つです。
- 元々SIMフリーとして販売されている端末を購入する
- キャリア端末のSIMロックを解除して、SIMフリー状態にする
ここが分かっていると、「この端末は、どの回線なら問題なく動くのか」を自分でチェックする重要性も見えてきます。
MNPとは?電話番号そのままで乗り換える仕組み
最後に、MNPです。
MNP(Mobile Number Portability)は、いま使っている電話番号を変えずに、別の会社へ乗り換えできる仕組みのことです。
ざっくりした流れは次のとおりです。
- 現在契約しているキャリアから「MNP予約番号」を発行してもらう
- 乗り換え先のキャリアや格安SIMへ、MNP予約番号を使って申し込む
- 開通手続き後、今の番号のまま新しい回線が使えるようになる
MNPを使えば、「長年使っている電話番号を変えたくないけれど、料金は下げたい」というニーズに応えやすくなります。
ここまでで、SIM・SIMフリー・MNPの関係性が見えたと思います。
次の章では、SIMフリーでMNPするメリットとデメリットを整理していきます。
SIMフリーでMNPするメリット・デメリット
SIMフリー端末でMNPすると、うまくハマれば毎月の料金を抑えつつ、回線の選択肢も増やせます。
一方で、端末の相性やサポート面など、気をつけたいポイントもいくつかあります。
大まかにいうと、「自由度と引き換えに、自分でチェックする範囲が増える」というイメージです。
SIMフリーでMNPする主なメリット
まずはメリットから見ていきます。
SIMフリー端末でMNPすることで得られる代表的なメリットは次のとおりです。
- 端末を買い替えずに乗り換えできる(今のスマホをそのまま使える)
- 大手キャリア・格安SIMなど、選べる回線が一気に増える
- 自分の使い方に合ったプランを選びやすく、月額料金を抑えやすい
- 海外旅行や出張のとき、現地のSIMカードを差して使いやすい
- 長く同じ端末を使う人ほど、端末代を節約しやすい
特に「データ通信メインで、通話はそこまで多くない」という人は、SIMフリー+格安SIMの相性が良いパターンが多いです。
SIMフリーでMNPするデメリット・注意点
メリットばかりに見えるSIMフリーですが、注意したい点もはっきりあります。
- すべてのSIMフリー端末が、すべての回線で問題なく動くとは限らない
- 「動作確認済み端末」や対応バンドを、自分で事前にチェックする必要がある
- キャリアメール(@docomo.ne.jp など)が使えなくなるケースが多い
- ショップの対面サポートが限定的になり、オンライン中心になることが多い
- かけ放題や家族割など、キャリア独自の割引が使えない・選択肢が少ない場合がある
特に、仕事で音声通話を多く使う人や、スマホの設定が苦手な人は、料金だけで判断せずサポート面も含めて比較した方が安心です。
SIMフリー×MNPが向いている人・向いていない人
最後に、「SIMフリーのMNP」が向いている人・向いていない人を一覧で整理します。
| 向いている人 | 向いていない人 | |
| 料金・コスト感覚 | 毎月の料金をできるだけ下げたい人 | 多少高くても、まとめてお任せしたい人 |
| 通話の頻度 | 通話は少なく、データ通信がメインの人 | 長電話や通話が多く、かけ放題をフル活用したい人 |
| サポート・設定 | オンライン手続きや初期設定を自分でできる人 | 店舗で相談しながら進めたい人 |
| 端末のこだわり | 今の端末をそのまま使いたい人 | 最新機種にまとめて買い替えたい人 |
ざっくり言うと、「自分で比較・設定するのが苦にならない節約志向の人」にはSIMフリー×MNPが向いています。
一方で、「サポート重視で、通話も多い人」はキャリアMNPも候補に入れておくと安心です。
SIMフリー端末を用意する2つの方法
SIMフリーでMNPするには、そもそもSIMフリー端末を用意する必要があります。
大きく分けると、方法は「今の端末をSIMロック解除する」か「新しくSIMフリー端末を買う」かの2つです。
今のスマホをSIMロック解除してそのまま使う
すでにキャリアで購入したスマホを使っているなら、まず検討したいのがこの方法です。
条件を満たせば、今の端末をそのままSIMフリー化できます。
- メリット:端末代がかからない/使い慣れたスマホを継続利用できる
- デメリット:対応バンドや周波数の都合で、使える回線に制限が出ることがある
SIMロック解除の手続き自体は、各社のマイページやショップから行えます。
解除後は、対応している回線・格安SIMであれば、そのままMNPして使えるようになります。
新しくSIMフリー端末を購入する
もうひとつの方法が、新しくSIMフリー端末を購入するパターンです。
最初からSIMフリーとして販売されている端末であれば、使える回線の選択肢が広いものも多くなります。
主な購入先の例は次のとおりです。
- 家電量販店のスマホ売り場(SIMフリー端末コーナー)
- Amazonやメーカー公式サイトなどのオンラインショップ
- 格安SIM事業者の「端末+SIMセット」プラン
SIMフリー端末を選ぶときは、「どの回線のプランを使いたいか」と「対応バンド」をセットで確認すると失敗しにくくなります。
どちらを選ぶべきか?判断のポイント
最後に、「SIMロック解除」と「新しいSIMフリー端末購入」のどちらを選ぶかの目安をまとめます。
| SIMロック解除して使う | 新しくSIMフリー端末を買う | |
| 端末の状態 | まだ十分使える・不満が少ない | バッテリーや性能に不満がある |
| 初期費用 | できるだけ抑えたい | 多少の端末代は払ってもよい |
| 回線の自由度 | 今の端末が対応する範囲で選べればOK | 将来も含め、幅広い回線から選びたい |
| こだわり | 今の端末をできるだけ長く使いたい | 最新機種・お気に入りの機種を選びたい |
迷ったら、まずは「今の端末にどれくらい不満があるか」「初期費用をどこまで出せるか」を基準に考えると判断しやすくなります。
そのうえで、使いたい回線やプランに合わせて、最適なSIMフリー端末の用意の仕方を選んでいきましょう。
SIMフリー端末で格安SIMへMNPする手順
SIMフリー端末と乗り換え先の格安SIMが決まったら、あとは手順を踏むだけです。
ここでは「SIMフリーのMNP」でよくある流れを、4つのステップに分けて整理します。
- MNP前に、解約金や端末の対応状況などを確認する
- 現在のキャリアでMNP予約番号を発行してもらう
- 格安SIMに申し込み、SIMカードを受け取って開通させる
- 開通後に初期設定とデータ移行を行う
MNP前に確認しておくこと
いきなり申し込む前に、次のポイントをチェックしておくと、乗り換え後のトラブルを減らせます。
- 解約金・残債:旧キャリアの解約金や端末代の残りがないか
- 端末の対応状況:使いたい格安SIMで「動作確認済み端末」かどうか
- メールアドレス:キャリアメールが使えなくなっても困らないか
- 支払い方法:クレジットカードなど、申し込みに必要な手段を用意できるか
- ID・ポイント:dアカウントなど、引き継ぎたいIDやポイントの扱い
特に、端末の対応状況を確認せずにMNPすると「電波が弱い」「まったく使えない」状態になるリスクがあります。
気になる場合は、事前に公式サイトの動作確認リストをチェックしておきましょう。
現在のキャリアでMNP予約番号を取得する
準備ができたら、今契約しているキャリアで「MNP予約番号」を発行してもらいます。
これは、電話番号をそのまま格安SIMへ引き継ぐための番号です。
MNP予約番号は、たとえば次のような窓口で取得できます。
- キャリアショップの店頭窓口
- キャリアの公式サイト・会員ページ
- サポートセンターへの電話窓口
MNP予約番号には有効期限があります。
申し込み時点で「◯日以上残っていること」が条件になっている格安SIMも多いので、予約番号を取ったら、間を空けずに次の申し込みまで進めるのがおすすめです。
乗り換え先の格安SIMに申し込み、開通させるまで
次に、乗り換え先の格安SIMへ申し込みます。
多くの場合、公式サイトからオンラインで完結できます。
申し込みのときに準備しておくものの例は次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 支払いに使うクレジットカード
- 現在のキャリアで発行したMNP予約番号
- メールアドレス(連絡先用/ログインID用)
申し込みが完了すると、数日後にSIMカードが届きます。
台紙からSIMカードを取り出し、SIMフリー端末に差し込み、案内に沿って開通手続き・初期設定を行えば、新しい回線で通信ができるようになります。
開通後に行う設定とデータ移行
開通したら、最後に細かい設定とデータ移行を済ませましょう。
- APN設定:格安SIMから案内された接続先情報を端末に設定する
- 通話・SMSの確認:発着信やSMSの送受信が問題なくできるかチェック
- 連絡先や写真の移行:クラウドやバックアップから復元する
- よく使うアプリのログイン:IDやパスワードを再入力して使える状態に戻す
- 旧回線の解約状況の確認:重複請求がないか、請求明細を念のためチェック
ここまで終われば、「SIMフリー端末で格安SIMへMNPする」という大きな山は越えた状態です。
あとは、数か月使いながら通信品質や料金を確認し、自分に合っているかを見ていきましょう。
SIMフリーにこだわらずMNPしたい人向けの選択肢
ここまで「SIMフリーのMNP」を前提に話してきましたが、必ずしもSIMフリーが正解とは限りません。
通話の多さやサポートへの期待値によっては、キャリアでのMNP(端末セット)のほうが合う人もいます。
キャリアで端末セットMNPするメリット
キャリアで端末セットMNPを選ぶと、次のようなメリットがあります。
- 店舗で相談しながら機種やプランを決められる
- 最新機種を分割払いにしやすく、端末代をならして支払える
- かけ放題や家族割、固定回線とのセット割などが利用しやすい
- トラブル時にショップで対面サポートを受けやすい
- 機種変更・故障交換なども同じ窓口で完結しやすい
「スマホも回線もまとめて面倒を見てほしい」「通話もデータもバランス良く使う」という人は、こうしたキャリアMNPのほうが安心感が大きいケースもあります。
格安SIMの通話・かけ放題プランの注意点
格安SIMにも通話オプションやかけ放題プランはありますが、内容には違いがあります。
- 「1回○分まで無料」など、対象が限定されていることが多い
- 専用アプリから発信しないと割引にならないプランもある
- 完全な24時間かけ放題プランは、キャリアほど選択肢が多くない
- 仕事用の長電話や頻繁な通話だと、かえって料金が高くなる場合がある
「通話が多い」「仕事で番号を出すことが多い」といった人は、データ料金だけでなく、通話料金も含めてトータルコストを見ることが大切です。
ソフトバンクへのMNPをモバシティに相談するメリット
「格安SIMも気になるけれど、通話やサポート面を考えるとキャリアも捨てがたい」という人には、ソフトバンクへのMNPも選択肢になります。
モバシティは、ソフトバンクへの乗り換えを専門にサポートしているオンライン窓口です。
モバシティに相談することで、次のようなメリットが期待できます。
- 自分の使い方に合わせて、プランやキャンペーン条件を比較してもらえる
- オンラインだけでなく、申し込み〜MNP完了までの流れをまとめてサポートしてもらえる
- 機種選び・オプション選びで迷いやすいポイントを事前に整理できる
- ソフトバンクへのMNP特典やキャッシュバックなども含めて相談できる
SIMフリーで格安SIMにMNPするか、キャリアでMNPするか迷っている場合も、一度プロに相談して、条件を整理してから決めると後悔が少なくなります。
まとめ
ここまで、SIMフリー端末を使った格安SIMへのMNPと、キャリアでのMNPについて見てきました。
最後に、ポイントだけをコンパクトに振り返ります。
- SIMフリー×格安SIMのMNP:料金を抑えたい、自分で設定できる人に向いている
- キャリアMNP(端末セット):通話が多い・サポート重視の人に向いている
- どちらを選ぶ場合も、端末の対応状況とトータルの料金を事前にチェックすることが大切
- 迷ったら、現在の使い方と「これからどう使いたいか」を言語化してから相談する
「SIMフリーのMNP」は、うまく使えばスマホ代を抑えつつ、今の番号も端末も活かせる選択肢です。
一方で、必ずしも全員にとっての正解ではありません。
自分や家族の使い方に合う形を選びつつ、必要であれば専門窓口も活用しながら、無理のない乗り換え方を見つけていきましょう。
ソフトバンク回線へのMNPも視野に入れている方は、モバシティまでお気軽にご相談ください。
現在のご利用状況やご希望を伺い、条件に合ったプランやMNP方法をご提案します。




